近所のゴミ屋敷が悪臭を放っている場合、悪臭の程度にもよりますが、社会生活上一般に受忍（我慢）すべき限度を超えており、これが原因で体調を崩したような場合であれば、ゴミの撤去や慰謝料の請求が認められる可能性もあります。

原則としては、自己所有の建物をどう利用するかは所有者の自由ですから、ゴミ屋敷になっている場合であっても、近隣住民がゴミの撤去を強制することはできませんし、法的にこれを求めるのは簡単ではありません。しかし、だからと言って、自己所有の空き家であれば他人の迷惑など気にせず何をしても許されるという訳ではありませんから、一定限度を超えればゴミの撤去請求や慰謝料請求が認められるという訳です。ただし、悪臭の程度と言っても、その感じ方は人により様々ですから、ゴミの撤去請求や慰謝料請求をお考えであれば、１度、専門家に相談することをおすすめします。

また、悪臭がひどいことは、空き家対策特別措置法に定める「特定空家等」の要件の１つである「そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態」にあたると考えられるため、市町村などの行政にゴミ撤去等の勧告や命令を出してもらう方法も考えられますが、行政機関での実務上の運用方針は未だ確定的ではありませんから、この方法については今後の動きを見ていく必要がありそうです。